Monday, July 23, 2012

虎屋 和菓子オートクチュール:四季の菓子

私たちが暮らす日本は、四季の美しさに恵まれています。
今日のブログは、和菓子オートクチュールに携わる私たちが、忙しく日々を過ごす中で
忘れがちな、季節の移ろいや自然の魅力を再認識したご注文を紹介いたします。





                                         左上から時計回りに、春夏秋冬を表わしています。

お客様のご要望は、「お嬢様の誕生日を祝福するために、春夏秋冬を1つの菓子の中に
表現したものをつくりたい」というものでした。
お客様が描いてくださった菓子のスケッチをもとに、和菓子オートクチュールの担当者が
その材料や製法を考え、写真の菓子が完成しました。

ご家族の皆さまで、ひとつの和菓子を切り分けてお召し上がりいただくために、
通常おつくりしている生菓子の16倍もの大きさの中に、お客様と私たち担当者の思いを込めました。

下の写真をご覧ください。
煉羊羹の土台の上に、四季それぞれに異なる素材と製法でおつくりした菓子は、
部分によって味の変化をお楽しみいただけます。


《春》
卵羹製#1桜の花びらを、吉野羹#2に浮かべておつくりしました。
吉野羹は、葛をつかった製法であることから、葛の代表的な産地である奈良県吉野地方の吉野をとり、吉野羹といわれています。
製法の異なる煉切製#3の桜の花びらを吉野羹の上に散らすことにより、夜桜を立体的に表現しました。
 #1卵羹製・・・ 卵白を泡立てメレンゲ状にした中に煉羊羹を加えて固めたもの。
 #2吉野羹・・・ 寒天を溶かし、白双糖を加え煮詰め、水飴を加えたもの(琥珀液)に葛粉を加え、固めたもの。
                 白双糖とは結晶が大きく、糖分が100%近い純粋な砂糖。
 #3煉切・・・   餡に求肥または薯蕷を混ぜて蒸した生地のこと。

《夏》
白い淡雪羹#4の上に、透明な琥珀#5を流し、みずみずしさを表現しました。
煉切にすり胡麻を混ぜた玉砂利の上を煉製の鮎が泳ぎ、水面に浮かぶ煉製の青紅葉が
涼やかさを感じさせます。
 #5淡雪羹・・・ 卵白を泡立てメレンゲ状にした中に、琥珀液を加えて固めたもの。
 #6琥珀製・・・ 寒天を溶かし、白双糖を加え煮詰め、水飴を加え固めたもの。

《秋》
石畳は、煉切に粉砕したほうじ茶を混ぜた石の周りに肉桂(シナモン)をまぶし、これを
押し固めることで表現しました。
石畳の上の茶色の部分は煉羊羹でできています。
表面の煉切製のイチョウは、根元がやや緑がかった色をしています。
これは、少しでも本物の姿に近づけようとする工夫のひとつです。

《冬》
降り積もる新雪を、道明寺羹#7の上に淡雪羹を重ねた土台に雪輪紋様を配置することで、
表現しました。
雪輪は卵羹でおつくりし、万両の艶やかな実は煉切を琥珀液にくぐらせて本物そっくりに再現しました。
 #7道明寺羹・・・寒天を溶かして白双糖を加え、水で柔らかくした道明寺粉を混ぜ、固めたもの。
           道明寺粉とは、もち米を水洗い・水漬け・蒸して乾燥させ乾飯 (ほしいい)にし、
                             適当な粒に粗挽きしたもの。

菓子の中央には、抹茶入の煉羊羹の上に主役であるお嬢様のお名前と、お誕生日の季節の花
である紫陽花が描かれています。
季節が巡るとともに、人は年齢を重ねていきます。
和菓子オートクチュールに携わる社員も、お嬢様の健やかな成長への願いをこの菓子に
込めておつくりしました。



 虎屋 WAGASHI・HAUTE COUTUREは、お客様だけの特別な和菓子をご用意しています。
(同一のものはお作りできませんので、ご注意ください。)
※ご注文の流れについては、とらやホームページをご覧ください。



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